食道がんになり、リンパに再発、脳に転移、骨に転移。余命はどのくらいでしょうか? 私の母が1年半前に検査をしたところ、食道がんと分かりました。去年の3月に手術をして腫瘍は取り除きました。ステージ2でした。 食道がんのステージごとに生存率は違います。ステージはIからIVまでに分類されます。ステージの数字が小さいほど進行していないことを示します。ステージステージI79.7ステージII49.7ステージIII26.4ステージIV11.4「この数字を参考にするのにはいくつか注意点があります。まずここに示した数字は2008年から2009年の間に食道がんと診断された人の結果を集計したものです。医療は日々進歩しているので10年前の生存率が今に当てはまるとは限りません。それ以上に、統計データから一人ひとりの経過を正確には予測できません。同じステージに分類される人でも、がんの状態や全身の元気さなどは一人ひとり違っています。同じ治療をしたあとの経過にも大きな個人差があります。がんの診断を知らされると「あと何年くらいの命なのか?」と思ってしまうのは無理もないことですが、統計を気にするよりも、目の前の状況に対してできることは何かを考えることが大事です。ステージは余命の推定の参考にはなるものの、同じステージの人でも経過には大きな個人差があります。ステージをもとにはっきりと余命を推定するのは困難です。ステージは最適な治療を選択するのに有用ですが、余命を推定するのには適しない理由があります。まず現在明らかになっている生存率などは、過去のデータを元にして作成されたものなので、現在とは治療の選択肢などが異なる可能性があります。またステージは「食道にあるがんの深さ」、「がんと診断された場合は、どうしても生存率などが気になると思います。しかし、生存率はあくまでも目安に過ぎません。今の状況と向き合って治療に臨むことが大事です。ステージと症状が対応するとは限りません。食道がんは初期には症状がないことが多いです。進行とともに食道がんは食道の壁深くに浸潤していきます。食道がんで現れる症状は以下のものです。嚥下時痛(えんげじつう)嚥下困難(えんげこんなん)胸痛(きょうつう)背部痛(はいぶつう)嗄声(させい)咳(せき)どのステージでどの症状が出るかは必ずしも対応しません。比較的早くから症状が出る人もいる一方で、かなり進行するまで症状がない人もいます。理由はがんの進行の仕方には個人差が大きいためです。さらに症状の感じ方に個人差があることも理由のひとつです。たとえば、食道がんが大きくなると食道をふさいで嚥下時痛(飲み込む時の痛み)などを起こすことがあります。しかし、食道がんの中には、進行しても食道の内側にはあまり盛り上がらず、食道壁の深くに浸潤することが主体のものもあります。その場合は飲み込みにくさなどの症状が出ないこともありえます。似たような状態でも症状として自覚するかどうかに個人差があります。同じ強さで刺激を与えても感じ方は人それぞれです。症状は感じ方によるところが大きいので、同じステージで同じようながんの状況でも症状を同じように感じるとは限りません。食道がんと診断された後に「これからどんな症状が出るのだろう?」と気になると思います。ほんの少しでも症状が出れば「がんが大きくなったからか?」、「がんがステージを判断する目的には最適な治療法を選択することがあります。ステージごとに推奨されている治療法があります。 大まかにはステージごとに以下の治療が勧められます。ステージ0ステージI手術手術→化学ステージII手術→抗がん剤治療(術後抗がん剤治療(術前化学療法)→手術 化学放射線療法ステージIII手術→抗がん剤治療(術後化学療法) 抗がん剤治療(術前化学療法)→手術 化学放射線療法抗がん剤治療ステージIVa抗がん剤治療→手術化学放射線療法抗がん剤治療緩和治療食道放射線療法ステージIVb抗がん剤治療緩和治療食道ステント 放射線療法薬物療法 ステージはステージ0からステージIVに分けられます。ステージIVはさらにステージIVaとステージIVbの2つに分けられます。ステージは治療法を決めるために重要です。ステージは食道がんの深さ、リンパ節転移、遠隔転移の3つの組み合わせから決めます。なお、症状はステージを決める基準には使われていません。同じステージでも症状がある人もない人もいます。症状をもとにステージを推定するのは難しいです。ステージを決める基準について詳しくは後述する「先にそれぞれのステージがどんな状態かを説明します。ステージ0は食道粘膜内にがんがとどまる状態です。食道でのがんの深さ:粘膜にとどまるリンパ節転移:なし遠隔転移:なしステージ0の治療には以下が選択肢になります。内視鏡治療(ESD、EMR) 手術化学放射線療法放射線療法ステージ0は内視鏡治療で内視鏡治療では、治療後に食道が狭窄(きょうさく)する可能性があります。狭窄とは狭くなることです。内視鏡で傷付けた部分が縮んできて狭くなります。切除する範囲が広いと治療後に狭窄してしまう可能性も大きいと考えられます。狭窄を予防するために切除した部分を広げる治療をしたり、治療によってひどい狭窄が予想される場合には手術や化学放射線療法(またはステージIは食道粘膜下層にとどまる状態です。食道でのがんの深さ:粘膜下層にとどまるリンパ節転移:なし遠隔転移:なしステージIの治療として、以下の方法があります。手術化学放射線療法(放射線療法)ステージIの治療は手術がまず検討されます。しかし食道がんの手術は身体への負担がとても大きいので手術に耐えることができるかの評価をすることがもっとも大事になります。耐術能といいます。手術に耐えることができると判断された場合は手術、難しいと判断された場合には化学放射線療法(放射線療法)が選ばれます。手術後には病理検査をします。病理検査は摘除した食道を顕微鏡で観察する検査です。病理検査でがんが想定より深い場合は再発予防として抗がん剤治療をする場合があります。ステージIIは以下の3つの場合があります。ステージII (1)食道にあるがんの深さ:固有筋層から食道外膜にがんが浸潤しているリンパ節転移:なし遠隔転移:なしステージII (2)食道にあるがんの深さ:粘膜から固有筋層にがんが浸潤しているリンパ節転移:第1群遠隔転移 : なしステージII (3)食道にあるがんの深さ:粘膜下層までの浸潤にとどまるリンパ節転移 :第2群リンパ節に転移がある遠隔転移 : なしステージIIを大まかに言うと、がんが食道の壁を貫いている、もしくはリンパ節に転移がある状態です。ステージIIでは内視鏡ではがんを取りきることはできません。ステージIIの治療は手術が中心になります。手術→抗がん剤治療(術後化学療法) 抗がん剤治療(術前化学療法)→手術 化学放射線療法ステージIIの治療法は手術が中心ですが、ステージIと同様に手術が可能かどうかの判断がまず行われます。食道がんの手術は身体への負担が大きいので中には手術による手術が可能と判断された場合の多くは手術の前に抗がん剤治療を行います。抗がん剤治療を手術に先立って行うことでがんが小さくなり完全に切除できる可能性が高くなると考えられています。手術の前の抗がん剤治療を術前化学療法ということがあります。術前化学療法は過去検討から生存率を改善させることが確認されています。一方、身体の状態があまりよくなく手術ができないと判断される場合があります。そのときには抗がん剤治療と放射線療法を組み合わせた治療によって根治できる可能性があります。根治とは身体からがん細胞をなくすことを指します。根治の望みがある治療を根治治療といいます。放射線治療が適しない人がいます。肺などに病気を抱えている人に対しては肺の病気が悪化することを懸念して放射線治療を行えないことがあります。その場合にはステージIIIは下のように4通りの基準があります。ステージIII (1)食道にあるがんの深さ:食道がんが胸膜、心膜、横隔膜、肺、胸管、奇静脈、神経に浸潤しているリンパ節転移:リンパ節転移がないまたは第3群以下にリンパ節転移がある遠隔転移 : なしステージIII (2)食道にあるがんの深さ:食道がんが食道の外膜に浸潤しているリンパ節転移 : 第3群以下のリンパ節に転移がある遠隔転移 : なしステージIII (3)食道にあるがんの深さ:食道がんが固有筋層に浸潤しているリンパ節転移:第2群か第3群にリンパ節に転移がある遠隔転移 : なしステージIII (4)食道にあるがんの深さ:食道がんが粘膜または粘膜下層にとどまるリンパ節転移 : 第3群リンパ節に転移がある遠隔転移 : なしリンパ節転移がなくても食道がんが食道を貫いて周りの臓器にも浸潤している状態であればステージIIIです。ステージIIIの食道がんに対して以下のような治療法があります。手術→抗がん剤治療(術後化学療法) 抗がん剤治療(術前化学療法)→手術 化学放射線療法抗がん剤治療ステージIIIの治療方針はステージIIと同じになります。以下の文章はステージIIと同じです。すでにステージIIの治療法について解説を読んでいる場合には読み飛ばして問題ありません。ステージIIIの治療法は手術が中心ですが、ステージI、IIと同様に手術が可能かどうかの判断がまず行われます。食道がんの手術は身体への負担が大きいので中には手術による合併症で命に危険が及ぶ人もいます。このために手術ができるかどうかの見極めが重要です。手術が可能と判断された場合の多くは手術の前に抗がん剤治療を行います。抗がん剤治療を手術に先立って行うことでがんが小さくなり完全に切除できる可能性が高くなると考えられています。手術の前の抗がん剤治療を術前化学療法ということがあります。術前化学療法は過去検討から生存率を改善させることが確認されています。一方、身体の状態があまりよくなく手術ができないと判断される場合があります。そのときには抗がん剤治療と放射線療法を組み合わせた治療によって根治できる可能性があります。根治とは身体からがん細胞をなくすことを指します。根治の望みがある治療を根治治療といいます。放射線治療が適しない人がいます。肺などに病気を抱えている人に対しては肺の病気が悪化することを懸念して放射線治療を行えないことがあります。その場合には抗がん剤による治療が選ばれます。抗がん剤治療のみではがんを根治することは難しいです。抗がん剤治療の目的は延命や症状の緩和です。ステージIVは領域リンパ節を超えた場所にリンパ節転移があるか、食道がんがステージIVa (1)食道にあるがんの深さ:問わないリンパ節転移:第3群を超えた位置(第4群)にリンパ節転移を認める遠隔転移:なしステージIVa (2)食道にあるがんの深さ:食道がんが大動脈、気管、リンパ節転移 :リンパ節転移は問わない遠隔転移 : なしステージIVaの食道がんに対して以下のような治療があります。抗がん剤治療→手術化学放射線療法抗がん剤治療緩和治療食道ステント放射線療法ステージIVaの食道がんは手術のみで取り切れる可能性が低いので、手術を考える場合にはまず抗がん剤治療を先に行い病変を小さくしてから手術が可能であれば手術を検討します。多くの場合は抗がん剤と放射線の組み合わせ(化学放射線療法)で治療を行います。ステージIVbは遠隔転移がある状態です。食道にあるがんの深さやリンパ節転移の程度は関係なく、遠隔転移があればステージIVbになります。ステージIVbの主な治療は以下です。抗がん剤治療緩和治療食道ステント 放射線療法薬物療法 ステージIVbの治療は抗がん剤による治療が主体になります。遠隔転移がある場合は全身に小さながんの転移があると考えられます。身体の至るところに転移があると考えて全身をカバーできる抗がん剤で治療します。ステージIVbにおける抗がん剤治療の目的は症状の緩和や延命になります。がんによって食道が狭くなり食べ物が喉を通りにくいなどの症状が出ることがあります。食べ物の流れを確保する治療のひとつが食道ステントです。食道ステントは金属製の筒状の器具で、外に向かって広がろうとする性質があります。食道ステントを食道に挿入することで食道を再び広げることができます。食道が狭くなった時の治療には放射線療法もあります。放射線療法でがんを縮めることで、食べ物が通るようになることが期待できます。ステントのほうが即効性があるなどの特徴がありますが、その人の状況に応じて適したものを選びます。ほかの治療と併行して痛みなどの症状を和らげる治療も始めることがあります。がんが原因で強い痛みが出た場合にはオピオイド鎮痛薬などが重要な緩和治療となります。緩和治療に関しては、がんのステージを決めるために、国際的にはTNM分類という基準がよく使われています。TNM分類は、国際対がん連合(UICC)が作成している基準です。TNM分類はがんの深さ(T)、リンパ節転移の有無(N)、遠隔転移の有無(M)の3つでがんを評価します。日本では独自に作成したここでは実際の治療で用いられることが多い基準は専門用語を使って決められていますが、自分に当てはまる部分以外は読み飛ばしても差し支えありません。TはTumor(がんは周りの組織に入り込みながら広がっていく性質を持っています。がんが入り込むことを浸潤(しんじゅん)と言います。食道がんは食道の壁のうち内側の表面(食べ物が通る側)から発生します。食道がんはしだいに食道の壁の中に深く浸潤していきます。食道の壁は層構造になっていて、食道がんが進行するほど深い層(外側の層)にまで浸潤が進みます。食道の壁の中でどの層まで浸潤しているかを壁深達度(へきしんたつど)または深達度と言います。食道がんのT因子は壁深達度で決定されます。TX:T0:原発巣としての癌腫を認めないT1a:癌腫が粘膜内にとどまる病変T1a-EP:癌腫が粘膜上皮内にとどまる病変(Tis)T1a-LPM:癌腫が粘膜固有層にとどまる病変T1a-MM:癌腫が粘膜筋板に達する病変T1b:癌腫が粘膜下層にとどまる病変T1b-SM1:粘膜下層を3等分し、上1/3にとどまる病変T1b-SM2:粘膜下層を3等分し、中1/3にとどまる病変 T1b-SM3:粘膜下層を3等分し、下1/3にとどまる病変T2:癌腫が固有筋層にとどまる病変(MP)T3:癌腫が食道外膜に浸潤している病変(AD)T4:癌腫が食道周囲臓器に浸潤している病変T4a:胸膜、心膜、横隔膜、肺、胸管、奇静脈、神経に浸潤する癌腫T4b:大動脈、気管、気管支、肺静脈、肺動脈、椎体Nはリンパ節(lymph node)を指すNodeの頭文字です。N因子はリンパ節転移の程度を評価したものです。食道の全体にわたって、細かい血管とともに細かいリンパ管が分布しています。がんは時間とともに徐々に大きくなり、リンパ管の壁を破壊し侵入していきます。リンパ管は全身で網の目のようなつながり(リンパ網)を作っています。リンパ網にはところどころにリンパ節という関所があります。リンパ管に侵入したがん細胞はリンパ節で一時的にせき止められます。がん細胞がリンパ節に定着して増殖している状態がリンパ節転移です。リンパ節転移があるとリンパ節は硬く大きくなります。リンパ節が大きくなる原因にはがん以外にもがん細胞が最初の段階でたどり着くリンパ節を領域リンパ節と呼びます。領域リンパ節以外のリンパ節転移は遠隔転移として別に扱います。食道がんの領域リンパ節は、1群から3群の3つに分類します。1群の方が食道に近く数字が大きくなるほど食道から離れていきます。食道から離れたリンパ節にリンパ節転移があることは病気も進行していることを意味します。食道がんができた場所によって第1群から第3群の定義が違います。どの群までリンパ節転移があるかによってN因子を決めます。NX:リンパ節転移の程度が不明であるN0:リンパ節に転移を認めないN1:第1群リンパ節に転移を認めるN2:第2群リンパ節まで転移を認めるN3:第3群リンパ節まで転移を認めるN4:第3群リンパ節より遠位のリンパ節(第4群)に転移を認めるMはMetastasis(転移)の頭文字です。遠隔転移を評価します。食道から離れた臓器に遠隔転移がある食道がんは、手術が勧められません。余命の延長を目的とした抗がん剤治療を行います。MX:領域リンパ節以外の転移の有無が不明であるM0:領域リンパ節以外に転移を認めないM1:領域リンパ節以外の転移を認める参照:T因子、N因子、M因子を評価したうえ、組み合わせによって表のとおりステージを決めます。N0N1N2N3N4M1T0、T1a0IIIIIIIIVaIVbT1bIIIIIIIIIVaIVbT2IIIIIIIIIIIVaIVbT3IIIIIIIIIIIIVaIVbT4aIIIIIIIIIIIIIVaIVbT4bIVaIVaIVaIVaIVaIVb
知り合いの方が食道癌で入院しています。3ヶ月ほど前に余命1ヶ月と宣告されましたが未だご健在です。ただ、先日肺炎を併発して病院へ運ばれましたがある病院では手に負えないと拒否され現在違う病院へ入院されています。 食道がん末期・進行食道癌はどうなるかその症状と少しでも元気で長生きする方法や穏やかに過ごせる方法を消化器病専門医・緩和ケアの専門医が解説。食道癌末期になる前にオンライン全国相談で緩和医療専門医に相談を。
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